日本を代表する電機メーカー・テコットの会長を退いた島耕作は相談役に就任する。テコットの枠にとどまらず日本の経済活動に貢献するためだ。株主総会を前に、中国企業からテコットのグループ企業への買収計画が持ち込まれた。裏で糸を引くのはかつて島のビジネスパートナーでもあった出発集団のトップ、孫鋭だった。孫の狙いはグループ企業のみならず、テコット本体を呑み込むこと。日本の安全防衛にかかわる技術を数多く持つテコットが外資に翻弄されることは国家の危機にもつながる。初芝電産、初芝五洋HD、そしてテコットーー長く務めてきたこの会社を、そして日本の経済を、島は守ることができるのか。相談役として、最後の大仕事が始まる。