ベルギーのブリュッセルに暮らすファルデロー一家は、毎年夏になると、マイカーに乗って旅行に出かけるのが恒例。今回語られるのは前回の舞台1969年の7年前、1962年の夏休み。長男のルイはまだ生まれておらず、次女のニコルが生まれてまだ半年しか経っていない頃のお話。バンド・デシネ作家のピエールと妻のマドレーヌは二人の子供を連れ、マドレーヌの父母ヘンリーとイヴェットと一緒に、届いたばかりの新車で夏休みの旅行に出かける。行き先は例によって南…ではなく、イヴェットのたっての希望で、フランス中南東部の何もない都市サン=テティエンヌだった……。瑞々しい筆致で、ノスタルジーたっぷりに送る、かけがえのないフランスの夏休み。