直江津で海を眺める聡の胸に去来するものは…。聡の学校でも進路について話題に上がる事が多くなってきた。聡はデザインスクールに進学したい旨を父親に告げるが即座に却下されてしまう。時を同じくして美術部の松井の親戚からイラストの基礎が出来ていない事を指摘された聡は迷い、直江津の大日方五色を訪ねて来たのだ。その頃、志保里は聡の父と賭けをしていた。聡が父に逆らって自分の道を追えるか、それとも父に従うだけなのか…。五色から聡が直江津にいる事を聞かされた志保里は聡を迎えに行く。目の前に現れた志保里の姿に聡は…?自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジー!小山田先生の当時の単行本コメント『まっ先に思いつく星座は? と聞かれたら、オリオン座、白鳥座…といった答えが多いでしょう。けれど僕の場合はうしかい座です。月刊誌に何をかこうか迷いながら、雪の夜道を歩いていた時、急に雪がやんで雲が切れました。そこにオレンジ色の顔をのぞかせたのが、うしかい座の主星アークチュルスでした。あれをかけたら…、それが「星のローカス」になったのです。だからうしかい座は、僕にとって記念すべき星座なのです。』