クールで頭脳派、憧れの桐山部長が率いる放送部に入部した日野秋子は、桐山部長の「妻」の座を、1年女子の中でぶっちぎりの地位で狙う、という、はなはだ不純な動機をもっていた。彼女に付き合って部活を続けている佐藤ひさよ。でも、部活を続けるうちに、スキャンダルに出会ったり、とても切ない恋をしてしまったり……。激しく楽しく青春している学園ラブストーリーの傑作が初電子化で登場です。しなやかでクールな桐山部長、きわめてドジだが熱血男の梶先輩、全生徒憧れの「放送部のカナリアさん」と呼ばれる美しい忍先輩……どいつもこいつも、はなはだ魅力的な人物たちが、朔田浩美の華麗なタッチで生き生きと動き、軽妙なテンポでストーリーが紡がれていく…表題作「黄色いカナリア団」は3話連続作品。恋しているときは、ちょっとした行き違いとか、思わぬ一言で、相手を傷つけたり、傷ついたり、切ないまでに苦しく不安になる。恋することは、人をとても不器用にしてしまう。そんな心の揺れを繊細に描きあげている朔田浩美のデビュー作「渚へGO!」。人を本当に好きになること、好きになるとき……「雲が切れて、晴れ間がのぞく」ときを、鮮やかに描いた読み切り作品「鳥の名をかたり続ける。」の2作も同時収録。楽しく、軽やかに展開するストーリーの向こう側に、こわれやすく、かけがえのない青春のきらめきが見えてくる。