毎朝の通勤途中にある、1軒の雑貨店。その店先には、猫を抱いて気持ちよさそうに居眠りしている男の人がいて…人と会話するのが苦手な千景は、その猫を相手に毎日話しかける練習をしていた。でもある日、ずっと眠っていると思っていたその男に、全部見られてしまい…??(「君とおしゃべりできるまで」)小説家の春人と朱美は結婚2年目の夫婦。スランプ中で書けなくなってしまった春人の力になりたい朱美だが、空回りしてばかりで、‘奥さん’としての自信を失い…(「ふたりぼっち」)<他収録作品>「真夏の星」/「彼女が結婚する理由」変わりたい。だって、恋をしたから。変わらないでいたい。だって、この日々が愛おしいから。穏やかな時間が‘特別’に変わる瞬間を、繊細な筆致で描く、珠玉の恋愛短編集!