生物資源局に籍を置く「フォーナ」こと布尾七樹(ふおななき)は都内に静かに広がりつつある動物たちの変異体を追っている。変異コウモリを追った時に知り合った冥王高校の生徒、小此木春日(おこのぎはるひ)と川瀬、生物資源局分室長の田所、調査部次長の「N」こと能瀬に支えられながら種々の変異体と戦う毎日だ。変異コウモリの大量死に事件の匂いを感じ取ったTV番組制作会社「ナン・ロラン」の日月由清(たちもりゆきよ)はそんなフォーナを執拗に追う…。ある日、フォーナは春日と新宿御苑でつかの間の休日を楽しんでいた。だが、緑の中でくつろぐフォーナの耳にスズメバチのような羽音が!同時に響く悲鳴に駆けつけたフォーナはそこで大型化した異様な寄生バチを見る。その頃、フォーナを追う由清たちの話を聞きつけ、「ナン・ロラン」の取材に大日TVの看板レポーター花里美沙が割り込んできた。由清たちを使いフォーナを追う美沙。だが、ある晩、新宿御苑でフォーナを追った美沙は襲ってきた寄生バチに刺されてしまう。寄生バチのイメージにとらわれパニックになった美沙の運命は…そして美沙の運命にTV制作の裏側を見た由清が取った行動は…。「ウッド・ノート」で鳥たちの生態を生き生きと描いた小山田いくが動物の生態系の破壊に鋭い警鐘を鳴らすサスペンスストーリー第2巻!小山田いく先生の当時の単行本コメント『ある説によると、地球の大きさに比べて、そこに住む生物として人間は、大きすぎるんだそうです。地球に最も適した大きさの生物は昆虫なのだといいますが、どう思いますか?確かに昆虫は、百万種近く…最も地上で繁殖しているのです。第一、昆虫は転落して死ぬことがない!高所恐怖症の僕には、うらやましい生物です。』