天下―――群雄割拠の戦国乱世を征した男。「人誑し」と呼ばれた天下人・秀吉の原点がここにある!!『下賤な家から身を起こし、驚異の早さで出世し男。下克上を制し、天下人への階段を登り詰める―――』永禄八年(1565)―――天下布武を標榜する織田信長は、稲葉山城攻略に苦慮していた。翌年、墨俣を取るべく行動を開始するも、織田家の重臣である佐久間信盛、柴田勝家が斎藤龍興らの軍を前に敢えなく敗退を喫す。そんな時、一介の足軽大将であった木下籐吉郎が‘奇策’を進言……それは、まさに奇跡とも言える策略であり、「天下人への階段」の第一歩であった!!◆目次◆第一話 墨股の一夜城第二話 金ヶ崎の退き口第三話 長浜城 築城第四話 柴田勝家と越前の乱第五話 越前撤退と半兵衛の奇策第六話 二人の軍師閑話休題 「木下籐吉郎」 「長浜と一門衆」 「秀吉と二人の軍師」【豊臣秀吉】天文六年(1537)尾張国愛知群中村の貧しい農家に生まれたとされる。苦労の幼少時代を経て、十八歳の時、織田信長に仕え始める。永禄四年(1561)浅野長勝の養女・ねねと婚姻。この頃より木下籐吉郎を名乗り、信長の下で多くの戦功を立て、脅威の早さで出世していく。