別居していた夫の葬儀のさなか、マディは視線を感じた。<br />その先にいたのは夫の従兄レオ。<br />美貌の彼の瞳に侮蔑の色がにじんでいて、彼女の心はさざ波立つ。<br />レオは、マディが財産目当てで結婚したと思っているのだ。<br />浪費家なうえにマディを裏切った夫だったが、幼い息子のために、せめて屋敷だけでも残してやりたい。<br />けれど、莫大な維持費がかかってしまう。<br />葛藤するマディに、レオが信じられない提案をする。<br />資金を援助するかわりに結婚し、からだを差し出せと――。<br />