政略結婚の婚約式の翌日、アマヤは黙って姿を消した。<br />母からの電話で、婚約者であるシーク・カヴィアンはハーレムを持ち、女性を囲っていることを知ってしまったのだ。<br />そんな人と結婚したら、私も母のようになってしまう。<br />異国の愛の形を受け入れられず、豪奢な生活を捨て、ひとりで私を育てた母のように…。<br />半年後、居場所を突きとめられ連れ戻されたアマヤは、待ち受けていたカヴィアンにこう言いはなたれた。<br />「ハーレムに行こう。<br />きみが一番関心のある場所だろう?」