ボストンの街角で高層ビルを見あげ、キャットは気後れと、胸の高鳴りを感じていた。<br />これからかつての恋人、ネイトと一緒に働くことになったのだ。<br />5年前、仕事か彼か選ぶよう迫られたキャットは、ネイトに別れを告げた。<br />ふたりで過ごしたすばらしい日々のことを、ネイトは今でも覚えているかしら? けれど、そんな甘い追憶はオフィスに入ったとたんに消えてしまった。<br />迎えたネイトの冷たい瞳は、かかわる気はないとはっきり語っていたのだから…。<br />