ニューヨーク五番街、夜道に現れた人影にイザベラは愕然とした。<br />リチャード! 南米での地獄のような日々のなかにうずく熱い記憶。<br />彼は復讐の道具として私を誘惑した。<br />あれから8年、医者として再スタートを切ろうとした矢先に再会するなんて…。<br />招き入れられたのは最高級ペントハウス。<br />大富豪となっても変わらぬ陰のある灰色の瞳、そしてむさぼるようなキスを拒めず、激しい抱擁に溺れる。<br />しかし、彼は「アメリカから出ていけ」と言いすてて…。<br />