ソーンロー家では娘が21歳になると肖像画を描かせるのが伝統だ。<br />アラベラは、父への反発から素直にこの伝統に従う気になれない。<br />だが、世界的に有名なハンガリー人画家ゾルターンが絵を描くというので、彼の住む異国の地に興味をそそられるアラベラ。<br />しばらく父から離れてみるのもいい――アラベラはハンガリーへ旅立った。<br />けれども、彼女を迎えたゾルターンの態度は冷淡で、いつまでたっても肖像画を描きはじめようとしない。<br />この気難しい画家は何を考えているの?