江戸の世には、知られざる凄腕の職人がいた。<br />名前は弦(げん)。<br />刺青の彫師。<br />遊廓を逃亡しようとした遊女の背中に刺青を依頼された弦は、模様の色つやをよくするために、交わりながら彫るのだった。<br />そして彫る相手を観察して彫りあげられた、あでやかな模様とは…! 彫師がその技で彫りきった、苦悶と愉悦の哀しい美! お江戸・刺青秘めがたり。<br />