‘僕たちはもう、再び地上へ出ることはない。<br />この世界では、きみと僕とが全人類なのだ’昭和初期、東京。<br />美しい青年・蓑浦(みのうら)には、結婚を約束した初代という恋人がいた。<br />ある日、初代が何者かによって殺害されてしまう。<br />蓑浦は、学生時代に自分に好意を持っていた諸戸道雄が、嫉妬から彼女を殺したのではないかと推測する。<br />諸戸は頭もよく容姿もいい完璧な男だったが、蓑浦にしか興味を抱かない同性愛者だった。<br />諸戸は愛する蓑浦のため、献身的に探偵活動に協力するが……?