瀬尾未森は、幽霊だ。<br />正確には、幽霊だった。<br />自殺をした末に意識不明の重体、一年ぶりに目が覚めた病院のベッドの上で、途切れ途切れに思い出す、知らない男の子の記憶。<br />いつだって記憶の中で泣きそうな男の子は、良く行くコンビニの店員・栗原育だった。<br />自分のことを好きだと言う育の突然の告白に驚くも、それは、幽霊だったときの未森のことで…。<br />君が好きなのは、幽霊の俺? それとも――。<br />俊英、緒花が描く、幽霊と人間のくり返される生と死と恋の物語。<br />堂々の、完結。<br />