比予森は身体を売って生きている。<br />’雛’という名前のときだけ、誰かに必要とされている。<br />けれど、クラスメートの硲に出会い、その考えは幻想だったと知る。<br />初めての友だち。<br />初めての感情。<br />初めてできた――好きな人。<br />硲に惹かれ、段々と感情を表に出せるようになる比予森。<br />だが、仕事を辞めたのかと聞かれ、咄嗟に口から出た嘘。<br />その嘘が、お互いを傷つけるとも知らずに…。<br />