この国には、魃(バツ)と呼ばれる神様がいる。<br />少年テオが仕えるのは、夢のように美しい魃・レイ。<br />血筋によって決められただけの主従関係だったが、次第にそれは恋心へと変わっていく。<br />そばにいたいと思う気持ちは日増しに強くなり、熱い身体に触れることも、心地よく感じるようになった。<br />しかし、魃は人間の数倍の速さで歳を取り、レイもまた、必ずテオより先に寿命を迎えるのだという――。<br />これは移りゆく四季のなかで、ふたりの永遠を紡ぐ御伽噺。<br />