死者の魂を冥府へと迎え入れる扉───その名は『死生獄門』。<br />門の表と裏には番人がひとりずつ。<br />黒の午頭(ごず)と白の馬頭(めず)。<br />相見えることができるのは、門が開くごくわずかな時間のみ。<br />───闇に染まりゆく牛頭に触れたい。<br />───白く美しい馬頭を汚したくない。<br />互いに想い合いながらも、決して触れることは許されないふたり。<br />近くて……何よりも遠い。<br />その想いの行きつく先は───。<br />