「迷える子(ストレイ・シープ)――わかって?」東京の大学に入学するため、熊本から上京した小川三四郎。<br />彼にとって東京は、見るもの聞くもののすべてが新鮮な驚きに満ちていた。<br />やがて三四郎は、都会育ちの美しい女性・里見美禰子に強く惹かれていく。<br />だが美禰子は「迷える子(ストレイ・シープ)」という言葉を三四郎に幾度となく投げかけ、曖昧な態度を続けるのみであった…。<br />『それから』『門』へと続く夏目漱石・前期三部作の第一編。<br />