寅之介は、奉公人の薫に恋をする。<br /> 22年の間二人は少しずつ愛をはぐくみ、昭和の不器用夫と、おっとりだけど脳筋な妻の夫婦が生まれた。<br /> 夫婦は長い時間を共に過ごし、寅之介の病室で薫は懐かしそうに語り始める――。<br /> これは、深い愛を紡いだ夫婦の優しい記憶。<br />