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キス魔の憂鬱とアイツの視線(単話)

普通、ふつう、フツウ…大学生の巽は幼い頃からその言葉に悩まされ、劣等感を抱いていた。
そんな彼が他人から唯一注目を集められる事、それは飲み会の席で【キス魔】を演じる事だった。
酔狂の最中、同じサークルの人気者・久我の視線が気になった巽は、思わず目線を逸らしてしまう。
「バカにされた…」そう思い込んだ巽が傷心のままトイレに立つと、なんとそこには今一番会いたくない久我がいた。
気まずい雰囲気の中、足早にその場を去ろうとした巽。
しかしそんな巽に久我は思いもよらない声をかけてきた。
「意識的に俺だけはキスしないのって、なんで?」




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