ヒスイと木霊(単話)
「僕はもう、子供じゃないんだよ」――その山には昔から‘ヒスイ’と呼ばれる神様が住まい、ずっと山を見守り続けていた。
ある雨の日、ヒスイは山に捨てられたヒトの赤ん坊を拾い、育てる事にした。
やがて月日が過ぎ、立派な青年に育ったその子、‘木霊’は、ヒスイの身の回りの世話をするようなる。
しかし木霊はいつの日からか育て親であるヒスイを「父」とは呼ばなくなっていた…。
昔はヒスイの後ろをついて回っていた幼子――しかし今では、ヒスイの背丈も超え、彼を見る眼差しにも熱を帯びるようになり…そして遂には…いつまでも子供だと思っていたのに――ヒトと神、生きる時間が異なる二人の想いが、交差する――
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