時は大正末期、場所は花街。<br />「夢二」と名付けられ男娼として働く秋斉の母親への想いと絵師・奥村への慕情を描く表題作を筆頭に、秋斉の初恋、そして成長後が語られるシリーズ番外編も収録。<br />他、人形浄瑠璃の世界に身を置く少年同士の密かな恋物語、呉服屋奉行人の、坊ちゃんへの淡い恋心を描いた短編も加えた珠玉の作品集。<br />しっとり儚いジャパネスクの恋心。<br />舞い落ちる花弁のように柔らかに、会田薫の世界が今、アナタの心に開かれる――。<br />