遥か暗い雲間から、かすかに届く遠雷。<br />環にとっての異母兄(尚人)は、ずっとそんな存在だった。<br />しかし、相沢グループの総帥である父の死後、莫大な遺産に群がる一族を背に、あっさりと権利を放棄した異母兄の潔さが、環の人生を変えていく。<br />全てを捨てて、歩きはじめる環。<br />気づき始めた本当の価値観、そして人生とは!?表題作他、「雨のなか」前後編と「わたしの隣に」を収録。<br />