【フルカラー】春恋乙女
【フルカラー61ページ】今と同じ、桜の舞う春も半ばの出来事だったから…取り戻した記憶…。
あの事故の出来事を知った章仁は、愕然と肩を落とし、とまどい、ショックは大きかった。
だが、現実を受け止め、自分の気持ちがいつの間にか揺らぎ始めていた事に気付く。
何日後、黎明館で章仁と莉流、彩花の姿があった。
そこに注文をとりにきたのは羽未であった。
章仁に気付き言葉を交わす二人…、しかし、その姿は互いに強ばり、あまりにも不自然である。
今まで兄妹という関係であれば良かったのかもしれないが、あの日以降誰がみてもその違和感は隠しきれない。
章仁をみつめる結衣佳の寂しげな眼差し…如那のことば…莉流の気遣い…羽未の思い…。
時間が経過し、章仁の気持ちは更に強いものとなり、やがてその時がきた。
「羽未が…好きだ」
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