数年前、春雪は一人日本へやって来たノアに日本語を教える優しい兄のような存在だった。<br />幼く愛くるしいノアを撫でながら毎日のように「かわいい」と口にしていた春雪。<br />時が経ち、離ればなれになってもやさしく心地のよいその言葉を忘れないままノアは16歳の春を迎える。<br />伸びきった身長、少し低くなった声…あの頃と同じ姿ではいられないノアの葛藤をよそに再会した春雪は変わらずやさしく受け入れてくれるが、実は彼もまた誰にも言えない隠し事があって――。<br />