黒谷知也作品集(単話)
鳴鶏(メイケイ)という鳥がいる。
希少種である。
彼らは羊や山羊のように「メエ」と鳴く。
この「メエ」は朝一番の「メエ」だけ具現化する。
そして高級食材として珍重されている。
――「鳴鶏」塔山町には’顔が本の猫’がいる。
文字通り彼らの顔は本である。
私は子どもの頃、顔が本の猫に手を食べられてしまった。
私は遙か彼方に右手の存在を感覚する。
――「顔が本の猫」蜃気楼のようだが既知の者にとっては確かだと思しき宮殿がある。
宮殿には’まだ誰にも見られたことのない夢’がありその夢は本に記されている。
そこへひとりの人間が迷い込んだ。
――「W宮殿」漫画31頁・全44頁
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