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死者の書

時は八世紀半ば、奈良の都・平城京が栄えた頃。
二上山の峰の間に、荘厳な俤びとの姿を見た藤原南家の娘――郎女は、館から姿を消し、女人禁制の万法蔵院に入り込む。
「姫の咎は、姫が贖う」――長期の物忌みに入った郎女の元に、五十年前、謀反の罪で斬首された滋賀津彦の亡霊が現れる。
その、白玉が並んだような、白い骨ばかりの指を見た郎女は――。
日本民俗学の基礎を築いた折口信夫の傑作小説を、近藤ようこが初読四十年にして、宿願の漫画化。
古代へと誘う魂の物語、完結の下巻。




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