大正はじめ――。<br />高等学校時代からの友人・林周に会いに、彼が勤める大学に足しげく通っている龍彦。<br />その日も周の研究室を訪れ、世間で大流行している「催眠術」の話をすると、周はインチキに決まっていると言う。<br />そこで、彼を実験体として、龍彦が催眠術をかけてみることになる。<br />――すると、龍彦が予想もしなかった姿を周が見せ……。<br />