美しい少年ダニエルの盲目の瞳は、うまれつき、人間の不吉な闇をとらえるさだめにあった。<br />可愛らしいマリアンヌに出会った時も、たしかに不安の影を見たダニエルだったが、幸せを壊すまいと気づかないふりをしてしまう……。<br />そんな夜、どこからか彼女を呼び寄せる深い声が響いてくるのだった。<br />曽祢まさこによる本格怪奇ロマン、第三章。<br />