「よいよい、ワインの事など余はとがめたりはせぬぞ?その代わりに、そなたの白いワインを飲ませておくれ。<br />」 ルクレツィオは国王の妾腹の息子。<br />母をもてあそんで捨てた国王を恨んでいたが、母の葬儀の席で国王に見初められ、ルクレツィオは憎むべき実の父の愛人となった。<br />国王には慰み者とされ、人々には汚れた者と蔑まされ、ルクレツィオは屈辱的な日々を送る。<br />そんな妾腹の子・ルクレツィオを、皇太子のマクシミアンは「兄」の瞳で見つめ続ける…。<br />