高邑水面(たかむらみなも)はだれもがうらやむ美貌の持ち主。<br />その天女のような微笑はどんな男もとりこにする――。<br />カメラマンの仲と美術評論家の御子柴(みこしば)は水面をめぐり、静かな火花を散らしていた。<br />水面はそんな2人をまるでどちらにも傾かない天秤に乗せて弄んでいるようにも見えるが…。<br />愛されても愛せないもどかしさの末に、女はやがて美しい天女から残酷な夜叉へと姿を変える……! 表題作を含む全5編を収録。<br />