事故の後遺症で、なにもかもわすれてしまった――。<br />あの人が持ってくるお菓子はなぜかいつもおいしくて、持ってきてくれる本は、なぜかいつも面白くて……。<br />でも、私は知らない。<br />私の好きなものを。<br />私の好きな―――…。<br />センシティブに焦がれる想いを、びろうどみたいにきらきら輝く女の子同士の切なく、ほろ甘い恋の話……。<br />