彼女の唇を まだ誰も知らない宝石、美しい花、お姫様……。<br />彼女をたとえる言葉はいくつもあるけれど、みんな忘れている。<br />彼女はかよわい‘女’なのだと。<br />そして皮肉にも、それを知るのはたったひとりの弟だけ。<br />誰よりも側にいて、誰よりも彼女を愛してしまった。<br />もがくほどもつれ絡まる恋の糸。<br />愛しくも苦しい闇に出口はあるの―――?