夜が終わるまで
堅物検事、失踪した弁護士、生き写しのその弟。
俺は夜毎、お前に抱かれる夢を見る。
なあお前は死んだのか――? 検事の日浦(ひうら)は、男に抱かれる夢を繰り返し見ていた。
その男は、司法研修所の同期だった弁護士の影山(かげやま)。
影山は、堅物の日浦にも何かと声をかけてくる気さくで明るい男で、それゆえ日浦にとっては数少ない友人の一人であった。
そしてそんな影山は、日浦の担当事件の被害者となったのだ――。
暴力事件に巻き込まれた後、消息を絶った影山。
遺体はあがらず、日浦は望みを捨てきれないまま、事件を追い続けていた。
そんなある日、目を疑うほどに瓜二つの影山の弟・直人(なおと)が現れる。
抱かれる夢は夜毎に現実味を増し、まるで幻影のような弟・直人との接触によって、日浦はいよいよ混乱を来していくのだが―――。
この夜が終わるとき、二人の想いに涙する。
物語のその後を描いた、描き下ろし10P収録。
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