「刀のような人だ、八重樫剣」――。<br />剣道の強敵〈ライバル〉である彼を、花森勝臣はそう思った。<br />きちんと間合いをとらないと懐にとびこまれる。<br />そんな鋭さと強さとしなやかさをもった彼に惹かれていく勝臣。<br />剣もまた激しい思いと、負けたくない矜持の狭間で揺れる。<br />もしも好きで好きでたまらなくなったら、互いの竹刀の鋒(きっさき)は鈍るのか……!?