皮肉な人生(単話)
アメリカ南西部、グランドキャニオン――。
一人の天才が突き抜けるような夏の空をじっと見つめていた。
一瞬の空の色を待ち、ここぞというタイミングで撮影が始まる。
危険なテイクを二度も三度も……男の名は山木真吾。
世には「天才」と称されているCM監督。
妥協を知らず、美とテーマを追求したその作風はコンクール受賞の常連だが、使う予算も天井知らずで、スポンサー受けはそれほどでもなかった。
自分の納得のいく仕事をすること以外に目もくれない山木だったが、会社の経営陣、スタッフ、そして愛する彼女との間にいつしか『ズレ』が生じ始めていき……。
仕事や生き方は違えど己の価値観にこだわり戦い続ける孤独な男たちの人生の描いた作品集。
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