初恋物語
「さっさと入れ!モンペ脱げ!」……明日、坊っちゃんが帰って来るか……明日……。
この前、坊っちゃんが帰って来た時は海軍の真っ白い軍服がよく似合ってた。
俺なんかのような徴兵不合格者の……片腕じゃなくて……。
坊っちゃんが海軍へ入隊の時、知恵あの時泣いて見送りに……走って行ったっけなぁ。
あの時の知恵の顔、キレイだったなぁ…。
見送りの声に掻き消されて何話してるか聞こえなかったけど、俺には解っていたんだ。
子供の頃、俺は見ていたんだ。
坊っちゃんが毎日、倉の中で知恵と何をしていたか……。
俺は……それでも俺は子供の頃からお前の事が……。
劇画界の耽美派が描く、屈折した愛情でしか愛せない男の哀しい初恋物語!
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