後ろめたさを打ち消すように、今の自分を正当化するように彼に電話していた。<br />「用とかじゃないんだけどなんとなく」駅までの道を歩きながら西条くんと話す。<br />環境音で外にいることに気付かれてしまい、とっさにサークルの飲み会の帰りと嘘をついた。<br />1人でこんな時間に歩かないでと心配してくれる彼に、人の少ない電車に乗って「家に着いた」と嘘のLINEを送った。<br />西条くんへの罪悪感に押し潰されそうなのに、蒼介のことを無視できない。<br />