その時、背筋に電流が走った――。<br />高校三年生の夏、怪我で全国大会の出場をあきらめ、失意の中で引退した元空手少年・奥住日々輝。<br />気弱で内向的な自分が唯一懸命になれるものを失くし、ただ漫然と日常を過ごすようになっていた。<br />そんなある日、親友の冷泉院新に誘われて観劇した日々輝は、主役を張る真戸紳一郎の演技に衝撃を受ける。<br />空手に打ち込んでいた時のような高揚感に包まれた日々輝は、真戸の背中を追って舞台俳優になることを決意して……!