昭和16年春――西条徹男(さいじょう・てつお)は蒸気機関車に憧れ、機関士を目指していた。<br />しかも、機関士の中でも高い運転技術を誇り優等列車牽引作業を受け持つエリート集団’甲組’の一員になりたいと胸躍らす徹。<br />しかし、糸崎機関区に配属された徹を待っていたのは、憧れだけではやっていけない、叱責と怒号飛びかう危険な職場であった……!!