都内でただ一軒残っていた寄席が焼失。<br />燃え盛る炎から救い出された八雲(やくも)は、なんとか一命を取り留めた。<br />それから幾日が過ぎ、東京に訪れた春のある日。<br />与太郎(よたろう)こと三代目助六(すけろく)は、小夏(こなつ)に宿った新しい命を知る。<br />満開の桜の下、小夏が初めて八雲に伝えた感謝の言葉を、ラジオから流れる助六の「野ざらし」が温かく包む――。<br />落語を愛し、落語とともに生きた八雲と助六の物語、ついに完結!!