上野駅鉄道公安室の樋口耕平(ひぐちこうへい)は、駅や列車内でのトラブル対応に悪戦苦闘しながらも、日々の業務にやりがいを感じ始めていた。<br />ある日、樋口は指導役の諸岡(もろおか)が、かつて公安職員の花形である’犯罪捜査’に携わり、樋口の父親の罪を暴いた過去を知ってしまう。<br />公安職員の誇り、諸岡に対する疑念、そして目を背けてきた家族――。<br />複雑な思い抱える中、樋口はある事件に巻き込まれていく――。<br />