真琴の恋人・和臣と、兄・佑二とは山仲間で昔からの知り合い。<br />そんなふたりが、冬山で遭難し、兄だけが帰らぬ人となってしまった。<br />それ以来、和臣は心を閉ざしてしまい、真琴との婚約の解消を口にする。<br />真琴は苦しむ和臣に必死で手をさしのべようとするが……。<br />そんな時、兄と同じ山に登っていた梶が真琴の前に現れ──。<br />そして、和臣は真琴を置いて、また山へ向かう。<br />’愛する’ことの意味を問いかける、傑作短編集!!