生まれてすぐに母親の事情で小山内家にひきとられた美弥(みや)は自分の出生を知らない。<br />大切に育てられ、何不自由なく暮らす美弥だったが、両親が事故に遭い、母の知り合いという宮下家に引き取られることになった──。<br />宮下家の妻・響子は、実は美弥の生みの母。<br />だが名乗らないという条件で引き取った響子に、簡単には心を開かない美弥。<br />育ての母と生みの母、ふたりの母の想いが交錯する、感動的な愛の物語。<br />他、短編2編を収録。<br />