街の灯を見下ろすビルの屋上で、全てを思い出した斎藤悠介は、一ノ瀬明里と向かい合う。<br />夜の底で響く呪詛から逃れるために、死の輝きは、なによりも魅力的だった。<br />殺し合い、愛し合った果てに、ふたりはいま、知れ切った結末を迎える。<br />━━それでも、いつか。<br />この命に、価値を見出せるように。<br />