君が僕らを悪魔と呼んだ頃
その少年は、15歳にして悪徳の限りを尽くした。
傷つけ、犯し、奪い尽くした……。
半年間の失踪を経て、記憶の全てを失ってしまった高校生、斎藤悠介。
記憶喪失なりに平穏だった日常は、ある日、突然、破られた。
次々に現れる過去を知る者、復讐者たち。
覚えのない咎で断罪される瞬間、死肉に突きたてた刃の、幻を見た。
━━さて。
俺が殺したのは、どこの誰だ? 謎と暴力の記憶喪失サスペンス!真実は、ついにその醜悪な姿を露にした。
しかし悲劇は──惨劇は終わらない。
悪魔と悪魔の騙し合いが熾烈を極める渦中、失ったはずの過去が‘彼女’を象る。
一ノ瀬明里がふたたび悠介の前に立った時、ころころ、ころころ、と、事件は、終焉に向けて転がり始めた。
──君に。
どんな顔で、会えばよかったのだろう?
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