青色ピンポン
その春、久々守秋人は高校入学を控えた15歳だった。
徐々に記憶を失っていく病におかされた秋人は、理心高校の2年生・夏目遥と、彼の身体に刻み込まれた’卓球’に出会った。
「美しいと思った」「どうしても欲しいものができた」…。
だって、脳がすべてを失っても、肉体は’それ’を忘れない。
だから、これは。
すべてを懸けるに値する出会いだった━━。
決して忘れ得ぬものを手に入れるため、初心者・秋人の挑戦がはじまる。
徐々に記憶を失っていく病におかされた少年・久々守秋人は、強豪・理心高校卓球部に入部した。
部員それぞれの意地と誇りをかけた、一泊二日の部内対抗戦。
実戦を重ね、飛躍的に伸びる実力に反比例するように、秋人の記憶には、ぬぐいようのない霞がかかっていく。
不安に砕け散りそうな心を抱えたまま、それでも秋人は’今を生きること’の意味を求め、あがき続ける。
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