超能力者が、力を持たない人間を支配する世界。<br />犬棒守と龍利リコの旅は、超能力社会からの追っ手を退けながら、はじまりの地、風川島へ帰ってきた。<br />そこで明らかになる、’この世でもっとも大きな虚構’。<br />世界の輪郭は、もうずっと昔から、とっくに歪み切っていた。<br />信じていたものすべてが崩れていく中で、進むべき道を見定められなかった犬棒守は、ある奇跡を目撃する。<br />――思えば、はじめから。<br />欲しい物なんて、たったひとつだったのだ。<br />