愛しいあの人のぬくもりを、顔を、私はもう思い出せない――― 「徳川の跡取りを残す。<br />」江戸城を去った蘭の言葉を胸に、家光は跡取りを残そうとする。<br />お万の方との出会いにより無事跡取りを残すことができた家光。<br />しかし、老いて病床にふせた家光は蘭の顔も思い出せなくなっていた。<br />悲劇の連続だった家光と蘭の恋物語。<br />果たしてふたりを待ち受ける運命とは――?